『 指導者の反省の標語 』
「仕事の教え方」が悪いと、作業者は一定の手順を守らず品質にばらつきが出てくるのは当然の結果です。
「 あの作業者はまだ新人だから、作業が遅いのです。」
「 あの作業者は、手が不器用だから遅いのは仕方がないのです。」
「 今日はベテラン作業者が欠勤しているので、工程の進み具合が遅いのです。」
「 いつも作業者には口をすっぱくして言っているのですが、なかなか理解してくれません。」etc..
現場の管理・監督者の方々は、この言葉だけですべてを片付けてはいませんか?
大切なことは、作業者に一定の手順を教え、守らせ、元に戻らないような仕組みを作ることです。
現場の管理・監督者の方々は、これからはこう考えて下さい。
“相手が覚えていないのは、自分が教えなかったのだ”
「仕事の教え方」で、品質・安全・生産性が変わる
品質・安全・生産性を向上の対策として、設備の更新やルールの追加、 チェック表の導入など、さまざまな施策が考えられますが、 「仕事の教え方」について研修を取り入れている企業は少ないかもしれません。
製造業の現場には、正社員だけでなく、パート・アルバイト、 人材派遣会社・作業請負会社など様々な形態の作業者が働いています。
「仕事の教え方」を学び、様々な作業者の方々を、 いかに短期間に教育し、実際の作業を効率的かつスムーズに 行なえるようにするかが、良い教え方のカギとなります。
不完全な仕事の教え方の例
「もっと早く」「いい感じで」「慣れればできる」など曖昧な指示は、 作業者にとって再現性がなく、標準化から遠ざかります。 また、実演せず、手順だけを口頭で説明すると誤解を生みやすく、 作業者の理解度に大きな差が出ます。
このように不完全な仕事の教え方は、 不十分な理解のまま現場に出すことになり、 品質・安全・生産性のリスクが高まるのです。
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曖昧な表現 インパクトレンチ操作時に、指導者が「インパクトの握りを“しっかり”握って使用するように」 と教えた。 3日後、作業者は指が「ばね指(腱鞘炎)」になり、作業ができなくなった。 |
「しっかり」は「力を入れて」と誤解されやすい。インパクトを握る力加減を、
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説明不足 溶接作業が出来ていると思い込んで任せていたところ、先端から5㎜残すことが出来ていなかった。 その結果、ねじれに弱くなり、 クラックの原因となった。 |
なぜ「5㎜残す必要があるのか」を伝えていなかったため、「たくさん溶接すれば良い」と誤解されていた。 「こうやって」「この順番で」といった手順説明だけでなく5㎜残す理由を説明することが必要。 理由を理解することで、応用も効くようになる。 |
良い仕事の教え方とは
教えられる側の立場(人柄や経験)を考慮した教え方、特にカンコツを洗い出し、仕事の教え方の訓練計画を立てます。訓練計画における、いくつかのポイントをご紹介します。
✓ 仕事の目的は、最初に伝える
作業の目的「取り扱い部品の機能と作業の成否」を理解してもらうことで、 作業者の意識と集中力が高まる。
✓ 手順・重要ポイント・理由をセットで教える
再現性を高めるため、TJIの基本である 「手順 → 重要ポイント → 理由」を明確に伝え、 作業者が“なぜその動作が必要なのか”を理解させる。
✓ 実演と説明を組み合わせる
言葉だけでなく、実際に指導者が作業を見せることで 理解が深まり、誤解や思い込みを防ぐ。
✓ 相手にやらせて確認する
教えた内容を相手が正しく理解しているか、 言わせて、やらせて確認し、 できるまで良心的に根気よく教える。
✓ 元に戻らないような仕組み(一度教えて終わりにしない)
できるようになったから終わりではなく、習熟度に応じて見守り、必要なタイミングで支援する。 教えた後、周期的に観察フォローし、問題点の改善を進める。 具体的には、
- 初日は1時間ごと
- 2日目は午前2回、午後2回
- 3回目は午後1回
周期的に観察を行い、疑問点や質問などを 現場で作業者からヒヤリングし、細かく対応していく。
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