1. 現在のインドの産業シナリオ

製造業は、インドの高成長分野の1つです。私たちの首相は、インドを世界における製造のハブとしての位置づけ、インド経済の世界的な認知のために「Make In India」プログラムを開始し、政府は2022〜23年までにこの分野で1億人の新規雇用の創出を目指しています。「Make In India」の影響により、インドはハイテク製造の道へと前進し、インド市場の10億人以上の消費者と増大する購買力に関心を高めたGE、東芝、シーメンス、ATC、ボーイングなどの世界的な巨大企業や多くの主要組織が、インドに新しい工場を設立しています。インドの製造業における累積FDI(海外直接投資)は、2020年4月から現在までに1,000億米ドルを超えました。まとめると、インドには次のような優位性があります。

  • 旺盛な需要
  • 増大する投資
  • 政策による支援
  • 競争上の優位性
  • 製造業は、「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」を推進し、その経済効果は2025年までに1兆米ドルに達する可能性があると予想されています。 政府はスマートシティで国家の全体的な発展を実現化することを目指しています。産業大動脈構想ではさらに、産業の発展と製造業における高度な技術と実務の促進を後押しする環境作りの活性化、維持、開発を支援します。

    2. 製造業が直面する課題

    競争力を高め、国際貿易における地位を確立するために、業界は「革新的な新製品」と「逆境ゼロの参入」を発展させ、競合に対して15%〜20%のコスト面での優位性を確立するために、下記事項が急務となっている。

    ✔  「高価値、高ヒット製品」の開発を促進するため、売上高の5%以上を研究開発に費やす

    ✔  品質レベルの向上を4倍促進させる

    ✔  適切な方法論、ジャストインタイムの概念、民間・政府・準政府を問わず、国家全体でカイゼン活動の確立を採用することにより、生産性を2倍向上させる

    ✔  QFD、目標品質、目標原価の計算、および設計ツールを広範囲に適用し、短期間で高価値の新製品を開発する

    ✔  工程サイクルタイムを短縮するために、製造現場やオフィスでコンピューターシステムを積極的に適用する

    ✔  各組織タイプに合わせてインダストリー4.0を適応させる

    ✔  全従業員による参加のための計画とシステムを開発し、組織内にカイゼンの雰囲気を作る

    3. インド企業におけるカイゼン活動の歴史

  • 80年代初頭、スズキがマルチ・ウドヨク社と提携し、デリーに自動車工場を設立する際に、当時マルチ・ウドヨク社の会長であったV.クリシュナムルシー博士の指導の下、インドの製造シナリオに大きな変化が起こりました。

  • 日本の技術と方法で製造するための工場を設立するために、多くの日本の製造企業が、多くのインド企業との提携/技術ライセンス契約を締結しました。

  • 同時に、多くの自動車部品サプライヤーがインドで発展し、それらの企業は西洋の製造方式から日本の製造方式へとシフトし始めました。

  • 1984年の初め、私はAPO(アジア生産性機構)の下で5か月間、日本の様々な工場でトレーニングを受ける機会があり、TPS(トヨタ生産方式)やその他の関連する方法論についての洞察を得ることができました。

  • 1984年の終わりにインドに戻った後、ルーカスTVSは、工場をフロー生産に変換するための大規模な「リエンジニアリング」を開始した数少ない企業の1つでした。

  • 同時期にJIPM(公益社団法人日本プラントメンテナンス協会)など、多くの日本のコンサルタントがインド企業に指導を始めました。

  • 多くの日系インド企業がフロー生産、5S、シングル段取り、ポカヨケなどを導入しました。

  • JIT経営研究所の会長、平野 裕之氏は、1995年から2005年までルーカスTVSで、ジャストインタイムの導入を提言し、会社の製造基準が大幅に引き上げられ、業績、利益、認知度、従業員満足度が向上しました。

  • 同期間に、インド工業連盟 / インド自動車部品工業会 / インド商工会議所連合会など、インドの協会や連盟などが、インド企業に意識と関心を持たせるために日本の「先生(コンサルタント)」の協力を得てセミナーや研修を開始しました。

  • TQM(総合的品質管理)もまた、日本科学技術連盟の助けを借りて広められました。

  • 1990年から2000年の間に、多くのインド人技術者、専門家、さらには製造現場の作業者までも、製造の概念とカイゼンの重要性を理解するために日本を訪問しました。

  • 2000年から2020年の間に、ほとんどの企業がそれらを理解し、特に自動車部門で実践を開始し、利益を享受し始めました。

  • 今では、多くのインド産業において、カイゼンは教えられるべき新しい概念ではありません。今必要なのは、この概念を広め、テキスタイル/航空宇宙/電子機器/政府などの自動車部門以外に展開していくことです。

  • 現在、改善コンサルティングの会社が多くの産業を支援しています。

  • 現在コロナ禍により、工場訪問などに対応することができていませんが、これから6か月後には現場視察の状況も好転していくことが期待されています。
  • このコラムを書いたコンサルタント
    ラビチャンドラン博士

    統計的品質管理、運営研究、フィールドエンジニアリング
    Lucas TVS 元事務局長
    UCAL Fuel Systems Ltd チーフメンター
    製造システム/TQMアドバイザー

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