ご質問に対する回答(トヨタの仕事の教え方)

セミナー中に頂いた質問に対する回答

2021年9月16日、実施されたTPS道場WEBセミナー「トヨタの仕事の教え方」にて頂いたご質問について、こちらに回答をご紹介します。今後とも引き続きよろしくお願い致します。

Q

もし外段取り化できれば計算式から除外されますか?

A

質問の意図に対して回答しきれていないかもしれませんが、一般的に「段取り時間」とは、内段取りと外段取りの総和であり、段取り時間全体を短縮するには、内段取りと同じ様に、外段取り作業の改善も必要です。
ですから、内段取りを外段取りに回し改善を進めても、「段取り時間」と言うのは残りますので、チョコ停と同じ様にロス時間として残ります、除外する事は出来ません。

 でも機械だけの可働率を考えた計算式からは、外段取時間は除外できます。
段取り時間をどうしても除外したいのなら、「段取り替え「ゼロ」は、1品種しか生産できない専用機や、専用ラインを造ることになるかと思います。

トヨタでは「シングル段取り」に日々改善・日々実践に取り組んでおります。
 段取替え時間の短縮=生産性向上のポイントは、シングル(段取時間が10分を超えない段取り替え)に全員が積極的に取り組んでおります。

Q

時間当たりの出来高管理とありましたが、生産管理板の管理単位は1時間毎がベストでしょうか?

A

 「サイクルタイム」と言うのは、1人の作業者が、受持ち工程で決められた作業手順で作業をして、作業が一巡するのに必要な時間の事を言います。
ですからご質問の、ピッチタイムとは違います。

 トヨタの物造りは、タクトタイムで生産を行っております。タクトタイムと言うのは、一個又は1台を、何分何秒でつくらなければならないかと言う時間の事を言います。

タクトタイム= 一日の稼働時間(秒)÷ 一日当たりの必要生産数


 算出方法は、まず1ヶ月の生産計画数を当月の稼働日数で割って、1日に生産しなければならない必要数を計算します。1ヶ月の生産計画を3500台とします、トヨタの1ヶ月の稼働日は平均20日ですので、3500台÷20日=175台(日当たりの生産必要数)となります。
それを1日の稼働時間27600秒を日当たりの生産必要数175台で割った答え157.7秒になり、158秒とします。
ですから、ラインから払い出される時間(タクトタイム)158秒に1台ずつ払い出されますで、標準手持ちはいりません。

 標準手持ちの件ですが、これが例えば2つの工程を2人で、サイクルタイムで生産する場合には、どうしても2工程のサイクルタイムを同じ時間に合わせることが出来ないのなら、当然サイクルタイムの短い工程に手待ち時間が発生しまいます。(これを無くす為に、工程間に標準手持ちを持つと言う考えもあります。)

サイクルタイムの長い工程のサイクルタイムがタクトタイム以下であれば生産上は問題ありませんが、改善・作業組合せを行って、2つの工程のサイクルタイムをあわせる(手待ちをなくす)必要があります。

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