佛教の教えで108あると言われる煩悩、人の心をかき乱し悩ませるもので特に貪欲(とんよく)瞋恚(しんに)愚痴(ぐち)を三毒という。
貪欲とは欲の心で、なければないで欲しい、あればあったでもっと欲しい と切りがなく、欲しがることで特に強い欲が 食欲・財欲 色欲・名誉欲・睡眠欲 の五欲である。
瞋恚とは、怒りの心で欲が妨げられた時に起き、愚痴は、ねたみや恨みや憎しみの心である。
「かんばん」は「Just In Time」を成立させるための道具で、日当たりの必要量を平準化した後工程引き取りを前提に6つのルールと5つの運用原則が定められ遵守があって成り立つからだ。
なぜ、「かんばん」の導入は成功しないのか?
モノづくりは矛盾との戦い市場では、いつ 何が どれだけ 売れるのか予想できない不定時不定量、いわゆる「必要なモノを 必要な時に 必要なだけ」である。
反面、つくりは定めた時間内に定めた量しかつくれない定時定量、この相反するギャップを埋めるのが在庫である。
在庫というものは始末の悪いもので、満たされていれば管理がおろそかに、なければ大騒ぎ、自律神経を持たせなければとめどなく増加する。
トヨタは、豊田自動織機製作所から独立してわずか12年後の1949年存亡の危機に陥った。原因は、需要に関係なくつくり続けた過剰在庫である。
在庫は利益をむしばむムダ、発想の転換がJust In Timeの思想を生み、必要なモノだけをつくる・運ぶ、その管理の道具としての「かんばん」を考案し自律神経の役割を持たせた。
Just In Timeの思想が世に知れ渡ったのは1973年第一次オイルショックである。
原油価格が高騰、経営危機にさらされた企業間で「トヨタ詣で」という言葉が流行ったほど多くの企業が「かんばん」の導入を試みたが成功した事例は少ない。
今では「Just In Time」の言葉すら聞かなくなっている。
何故かなと考えると日本語表現の「必要なモノを 必要な時に 必要なだけ」が誤解を招くに起因になっていることは否めない。
「かんばん」は「Just In Time」を成立させるための道具で、日当たりの必要量を平準化した後工程引き取りを前提に6つのルールと5つの運用原則が定められ遵守があって成り立つ。
「Just In Time」ダメな事例
工業用品や機械部品の通販を生業とする企業のトップは、トヨタがやっているからと「必要なモノを 必要な時に 必要なだけ」を自分流に解釈、仕入れ先に当日の17時までに受注した品物を翌朝の8時までに首都圏の集配センターに届ける仕組みつくりの指示をした。
標準品なら在庫を持てば不可能ではない。
特注品で飯を食べている地方のメーカーはムリと反発、しかし、トップはやりもせぬうちから弱音を吐くな、親の言うことが聞けないなら切り捨てる。
ほとんどの注文が終業間際の16時以降に入り、17時前後の生産開始は経費増だけではなく、不良の多発というおまけまで付いた。
それでも実状を知ろうとしないダメなトップは、たとえ1品目でも対応しろと振り上げた手を下ろそうとはしなかった。
ダメと言えばこんな事例もある。
海外研修生が労力の大半を占める縫製メーカーは、オーダー品の受注開始時に、販売店と受注日の翌日発送の取り決めをした。
注文が入ってくるのは店舗を閉めた20~21時以降に集中、翌朝の8時から整理をはじめ、全工程が稼働を始めるのは10時をまわるころ、夜業が午前0時を回ることもあり労働基準法違反で罰せられる羽目に、更にはモノづくりの改善が面白く、売ること置き去りにしたために多くの在庫で沈没してしまった笑えない事例もある。
最も多い事例が、必要量に達しても生産を続けることである。
終業3~40分前Aが必要量に達し、本来ならBに段取り替えをするのがルールであるがAを続ける。
あるいは、「かんばん」を前工程に送れば入荷することを悪用、常に多めの在庫を持ち棚卸が近くなるとぎりぎりまで減らす。
終わると一気に大量発注(かんばんを送る)。ルール違反をしていたのでは在庫は減らない。生産性も良くはならない。
正しい「Just In Time」の解釈
モノは、つくるも売るも在庫「ゼロ」では成り立たない。
小量なの在庫で事業を成り立たせる思想が「Just In Time」である。直訳すると「ちょうど時間内」となる。
ちょうど とは定めや決めごとにぴったりと当てはまることで、定めとは規制や法度(法律など)などである。
決めごとには一途な思い込みや勝手な判断で気取ることの意味もあり先の事例が該当する。
「ちょうど時間内」とは発注から入荷までの取り決めたリードタイムのことで、短くすれば在庫は減る。すなわち3日に1度の入荷は最低でも3日分の在庫が必要である。2日にすれば1日分の在庫を減らすことができる。
「Just In Time」はリードタイムの短縮との解釈が寛容で、成立させるためには安定したモノづくりが必須条件である。不良や機械故障の絶えない工程や、モノの動きが見えない管理をしていたのでは、「Just In Time」を唱えてもかなわぬ欲望にすきない。
おじんの独り言
国会中継では、総務省と利害関係のある企業の大臣経験者や官僚の高額接待問題で与野党の攻防は昔も今も変わらぬドラマの筋書きと同じである
ドラマは悪が暴かれ幕となるが、国会での与野党の論戦はまるで猿芝居で、不都合には「記憶にございません」と返答し、明らかな事実隠ぺいである。
記憶から消え去る時間稼ぎの答弁がまかり通ること自体が庶民感覚では理解できない。
欲は誰もが持っている。欲望があるから努力も我慢もでき、やらなければいけないことと、やってはいけないことの分別もつけられる。
自由とは、責任をもって何かをすることに束縛や強制があってはならないことであるが、一定の前提条件の上で成り立つ、何をやっても構わないといった無条件的絶対の自由は無いものと理解している。
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