なぜ、つくりすぎのムダが最もデメリットなのか?

セミナー中に頂いた質問に対する回答

2022年3月17日、実施されたTPS道場WEBセミナー「原価管理の視える化 3/17」にて頂いたご質問について、こちらに回答をご紹介します。今後とも引き続きよろしくお願い致します。

Q

7 つのムダのうち、なぜ、つくりすぎのムダが最もデメリットなのかを詳しく知りたいです。

A

造り過ぎのムダとは?

造り過ぎのムダは2つに分類できます。

1つは量を必要以上に多く造ってしまうことです。
他の1つは必要以上の早いタイミングで造ってしまうことを言います。

どちらもいけないのですが、特に後者の「必要以上の早いタイミングで造ってしまう造り過ぎのムダ」を重視しています。

トヨタでは必要なものを、必要な時に、必要な量だけ生産する、ジャストインタイムが原則であり、この原則に外れて早く造ってしまう場合は造り過ぎのムダになります。
また性能が優れ、高価な機械だから、使わなければ損だと判断して、生産必要数を無視して造り過ぎてしまう場合もあります。

売れに結びついた物以外はムダであるということを忘れないようにしましょう。

トヨタでは造り過ぎのムダは他のムダを誘発しますので最も重視しているムダの一つです。

「造り過ぎのムダ」が誘発する問題

必要以上に造ることについては、それに要する余分な工数や設備が要り、ムダな電気や油などを費やすことになります。
そして、材料や部品を先食いしてしまいます。

その結果、他のラインで必要とする部品が欠品となり、ラインストップに結びついたりします。
また必要数以上に造ること、必要以上に早いタイミングで造ることの両方については、造り過ぎのものを収容する為のパレットやスキッドが増加します。

そして、それを仮置きするための置き場や、ストアー、量や種類によっては、倉庫が必要となります。

更に工程間や工程と倉庫の間などでの運搬作業が増加します。
倉庫などに収容した造り過ぎの物は、錆の発生防止や在庫管理のため、さらに工数が増加していきます。
在庫が多いと機械や設備が故障したり、材料が欠品となっても、それらに対する改善のニーズが顕在化しにくくなってしまいます。(改善の芽を摘んでしまう、真の問題が隠れてしまう)

このように造り過ぎのムダは、色々な新たなムダを誘発させ、その結果、原価はどんどん上がり、品質の低下にも結び付きますので、最重視しているムダです。

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