生産技術者の中でも工場建設に関係する技術者は、ほんの一握りです。
私は現役時代に、新築2件と居抜き工場整備1件の3件を経験する事が出来ました。
今回はこの貴重な経験を紹介させて頂きます。
1. 工場建設と生産技術者

工場建設には生産技術者としての経験に加え、建築工事や装置据付などについての全体が見通せる経験とノウハウが必要となります。これは、習って短期に身に付くものでは無く、先輩の経験者と共に活動してOJTで身に付けたり、失敗を経験した事による貴重な財産でも有ります。

工場建築・整備と、完成後の設備据え付け・調整・稼働まではトラブルの連続です。
このトラブルを建設会社・設備会社・設備据付・運搬会社などと連携して、日々、現場で問題解決する事が工事を日程通り管理する上で重要となります。
特に火災やケガが発生すると立上げに大きく影響する為、安全管理もとても重要です。

また、生産準備に関する経費はとても高額になる為、これらの経費を予算通り管理する事も生産技術としては重要になり、その為に工事期間・費用の物差しを持っておく事も必要です。

2. 工場立ち上げ 国内新築

  • 主力工場が手狭となり、工業団地に二階建ての工場(延べ床面積128,800㎡)をⅠ~Ⅲ期に分けてスーパーゼネコンに依頼して建設。
  • 私はⅡ期工事(延べ床面積52,400㎡)のプロジェクトを3名で担当。


  • 建築図面通りの工事は建設会社が問題解決します。
    建築の仕上げ段階で、事前に生産設備を据え付ける工事や基礎工事(建屋に関係)に関する調整が多く発生しました。

    海に近い事から、敷地全体のかさ上げ工事、埋め立て地なので、岩盤までの杭打ち込みなど特殊な建築手法を実施し、当時としては、一棟で120,000㎡を超える日本一の工場を建設。
    また、工場の入口から出口までを情報・物流合理化を実現した工場となりました。

    3. 工場の立ち上げ 欧州

  • 東欧に工場を新設する事になり、スーパーゼネコンに依頼して平屋工場(延べ床面積50,000㎡)を建設。
  • この工事を2名で担当


  • 日々、様々な問題が発生する為、毎日定例ミーティングを開催。その日に発生した問題を整理し、担当・納期を決め毎日フォローを実施しました。新しい(国、人種、言葉、欧州顧客、協力会社など)中で、欧州のハブ拠点を設立。

    4. 居抜き工場整備

  • アルミ配管工場(二階建:延べ床面積5,000㎡)を市販梱包工場に変更
  • この工事を2名で担当。


  • 配管設備を移転後、工場内に残った廃却設備や工場の梁から吊下がった空調ダクト・エアー配管・蒸気配管・電気ダクト・電線などの片付けを実施。

    また、工場内が片付いた後には、変電所の点検、給水装置(工業用水)の点検・消毒、浄化槽の整備、雨漏れ箇所の補修、空調設備の点検整備、シャッターの取り換え工事、クイックシャッター取付、工場側溝の油回収施設整備、河川管理団体への届け出支援、特定施設の届け出の支援を実施。

    ミルクランによる部品引取や多回納入、ダンボー箱を最少単位1箱製作出来るダンボール製造機導入など、システマテックな市販梱包ラインの整備を実施。

    現在は、コロナ禍ですが、回復傾向に有り、工事業者や工事作業者の確保も難しくなることが予想されます。人手不足への対応として、柔軟な対応のアイディア出し、工事作業の改善など、工事管理のレベルアップも必要と考えます。

    このコラムを書いたコンサルタント
    川端武司

    株式会社デンソーOB 生産技術部
    トヨタ自動車よりトヨタ生産方式を習得し実践。また、工場新築2件と居抜き工場整備1件を経験し、工事日程と予算を計画通り進め、工場の入り口から出口までの情報・物流合理化を実現。
    当時一棟で120,000㎡の日本一の工場建設を担当。

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