トヨタは1949年(昭和24年)売れに関係なくつくり続けた在庫の山で存亡の危機に、モノづくりは売れたモノ 売れるモノをつくる。その当たり前に気付きトヨタ生産方式を考え出した。

改善・改善の積み重ねで、仕入れ先を含めた納期遵守の仕組みが浸透するのに3年7ケ月。

当たり前のことを当たり前に行う、ただそれだけのことだが、
なかなか理解されず難しいことなのである。

なぜ、製品の納期遅れが起きるのか?
製品の納期調整が絶えない企業で、その原因を生産現場の責任者は、「受け入れ検査の遅れ」と答えた。

納入品の一時置き場には、入荷の荷姿のまま、パレットがあふれて並べられている。1人の検査員が1つ1つチェックしている。これから検査する品物を探しているとのことだ。

「納入日を過ぎた品物がなぜ”ここに?」

「納期調整をしたものです。」

「これは、いつ組付けるの?」

返答はなし。

企業が必要なモノの調達には、品名・品種・必要数と納入日時を必ず指定する。受け入れでは数量と品質のチェックを怠らない。それが当たり前であって、その結果次第で生産効率や納期を左右するからである。

「あれ?これ来月5日の納入だけど」

「生産管理に聞かなければ分りません」

「すべての品物を今日、明日に検査するモノだけを残して引き上げなさい。」

すると今更仕入れ先に引き取れとは言えない、と強い口調、どのようにするかは自分たちで考えなさい。 とにかく指示した日以外の品物は持ち帰らせるようにしなさい。渋々ではあるが台車を準備、生産計画書を見ながら仕分けに取り掛かった。

仕訳が終わると、ほぼ3/4が今必要のない品物。
指定日前の入荷受け入れ理由は、遅れは困るが早いのは問題無く、業者からのお願いに答えておけば困った時に助けてもらえるとのこと。

「仕事と言うものは出来ることをするのではなく、やるべきことをやりきることだ。仕入れ担当としてのやるべき仕事とは何か、考えろ」

明日、検査するものがすぐ終わってしまうことがわかると、
「明日から、検査が遊んでしまう時間ができるので、やっぱり持ち帰らずに戻しましょうか」、、、、(・・・・)

その後、検査との協業で、製品別に構成部品の発注日・入荷予定と入荷日、検査完了が目でみて分る大判のチェックリストを掲示、今やるべき仕事が明らかになると、仕入れ先だけではなく社内でも、本来ならAを生産後Dに段取り替えするべきなのに、段取り替えの容易なBを生産する。

社内で不良化させてしまった品物の代替え品のねじ込み等など様々な問題がオモテ化。

改善・改善の積み重ねで、仕入れ先を含めた納期遵守の仕組みが浸透するのに3年7ケ月。

受け入れと製品出荷検査を含めた17名は11名に、生産部の生産性も43%向上、すべてはやるべき仕事を当たり前にできるようにしただけである。

当たり前のことを当たり前に行う、ただそれだけのことだが、なかなか理解されず難しいことなのである。

世の中にはそのようなことが多々あり。
例えば、コロナの接種でも、人とは身勝手なもので、指定された時間に数分の余裕があればよいものを、20~30分前に訪れ、院外での待ち時間に知り合いや仲間同士で暑いと苦情や世間話に余念がない。
予診票の事前チェック、時間指定は、院外や院内で人の流れを止めない工夫であって、その当たり前のことを当たり前に行うことは、やはり難しいと改めて実感する。
このコラムを書いたTPS改善コンサルタント
竹内 俊夫(たけうち としお)

東海理化OB 現場改善コンサルタント

得意分野は、生産部門の改革指導、間接部門の改革指導、生産管理部門の改革指導、物流のしくみ改革指導。

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選ばれる3つの理由 REASON

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40ヶ国、
1,500社以上の改善実績

自社だけでは解決できない現場の問題は必ずあります。製造業が勝ち残るための改善・改革は、国や業界を問わず、改善の実践体験を通じて、人材を育成し、生産体制基盤を強化することが必要です。

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従来のコンサルティングでは、経営層とコンサルタントが中心になってすすめるため、現場とコンサルタントの間に距離がありました。弊社コンサルタントは、評論家的な「あら探し」ではなく「改善の種」を具体的に見出す指導により、現場の人間との隔たりのない指導をすることができます。

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